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……どうしてこうなった?

第37章 放たれた狂獣

「でも……」

「警察沙汰になればあいつは確実に捕まるし、罰せられる。そうならなかっただけでも感謝すべきなんだよ」


そう、確かにそれはそうだ。

しかし副島がそう考えるとは限らない。


いや、むしろ----


優花を逆恨みすることは間違いない。

「大丈夫だって。俺が今度は必ず守ってやる。だから心配するな」

「……っ!! はい」

真剣な芹沢の眼差しに優花の胸は大きく高鳴った。

なに? 今の……

「そう。優花はそうやって笑ってればいい」

ドキッ……

嘘……

私……

芹沢先輩のこと……

好きなんだ……

すごく、すごく好きなんだ……

優花は必死に胸の高鳴りを隠そうと息を整えた。



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