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……どうしてこうなった?

第37章 放たれた狂獣

「待てよ、優花」

「きゃああっ……って、芹沢先輩……?」

茂みから飛び出してきたのは芹沢だった。

「驚かさないでくださいよぉ……もう」

「勝手に驚いたんだろう?」

「草むらに隠れて私を追うなんて……ストーカーにでもなったんですか?」

安心した優花はつい軽口を叩く。

「ばーか。お前が不安そうにしてたから着いてきてやったんだよ」

「なにそれ? だったら普通に着いてきたらいいじゃないですか」

そう言って優花は気がついた。

学校から一緒に帰ってきたらその姿を陸奥に見られてしまうのだ、ということを。

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