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……どうしてこうなった?

第37章 放たれた狂獣

芹沢と一緒に歩く優花は胸がドキドキと鼓動した。

それはもちろんさっきまでの恐怖に怯えた胸の鼓動とは違っていた。

芹沢の脇を歩くなんてことはこれまでも何回もあったが、こんなに胸が高鳴るのははじめてだった。

「全国大会、出れるといいよな」

芹沢はサッカー部の話をする。

「そうですね……出れるといいですよね」

「俺も試合に出てーなぁ」

「無理ですよ。怪我してるんだし」

「まあ、怪我してなくても無理だけどな。実力的に」

ケラケラと芹沢が笑う。

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