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……どうしてこうなった?

第37章 放たれた狂獣

こんなに誰かを思うなんて、芹沢ははじめてだった。

もはや陸奥佳奈美の妨害など問題ではなかった。

陸奥がなんか仕掛けてきたら俺が守ってやればいい。

もう優花への気持ちを押し隠しながら生きていくのはやめる。


後悔をしないために。


芹沢ははっきりとそう自分の心に誓った。

でも……

優花にこの気持ちを拒まれるのだけは怖かった。

だから芹沢は最後の一歩を踏み出せない。

その意味では、優花が芹沢の弱点だと言う言葉も間違っていなかった。

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