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……どうしてこうなった?

第37章 放たれた狂獣

別れ際の優花のなにか言いたげな表情を思い出しながら芹沢は電車に揺られていた。

言い出しづらいことを言おうとする優花の眼差しが怖かった。


もう送らないでください。

そう言われるのが怖くて足早に立ち去ってしまった。

優花があんな目にあったのは、元を質せば俺のせいだ……

俺が関わることで優花はどんどん不幸になっていく。

関わらない方がいい。

それはわかっている。

頭ではわかっているけど……

優花のそばにいたい。

あいつを守ってやりたい。

あいつの笑う顔を見ていたい。

迷惑だとわかっていても、抑えきれない。

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