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……どうしてこうなった?

第37章 放たれた狂獣

ここしばらく毎日葉月優花と下校していた芹沢が陸奥と下校する。


副島はずっと辛抱強くこの時を待っていた。

二人の並んで歩く姿を見て副島は唇の端をにやっと上げて不気味に笑った。

慌ててはいけない。

落ち着かせるように冷えたコーヒーを飲む。

二人がちゃんと帰っていくか副島は用心深くじっと監視する。

見られていることに気づいていない二人は変わった様子もなく駅に向かって歩いていく。


遂にこの日が来た。

一度深呼吸をして、副島は伝票を掴んでレジに向かう。

この辺りは人通りもあるし、まだ明るい。

目的地に先回りするため、副島は移動する。

一応優花が出てきていないかも確認する。

優花の姿は見当たらない。

まだこの時間は部活をしているんだな。

副島はニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。


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