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……どうしてこうなった?

第37章 放たれた狂獣

芹沢に少し優しくされて浮かれていた自分が恥ずかしくなる。

「葉月優花さん、ですね?」

不意に声をかけられ、優花はビクッと身体を震わせて振り返る。

「突然お声をかけて驚かせてしまい失礼しました。私は陸奥佳奈美様の執事、茅野と申します」

そこには髪を綺麗にオールバックに整えたスリーピースの燕尾服を着た男が立っていた。

「執事の茅野さん?」

見事なまでの、図鑑に載っていそうなくらいに執事らしい格好をした茅野に優花は気後れを感じる。

「はい。葉月様をご自宅までお連れするように申しつかりました」

女子高生に恭しく頭を下げる執事に優花は恐縮してしまう。

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