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親が金持ちで権力者の佳奈美が努力を惜しまなかったと言うのは意外だった。

何不自由なく暮らし、わがままし放題だと感じていた。

そう優花が伝えると茅野は笑った。

「はははっ!!　葉月様は本当に素直で思ったまま言われる方ですね」

「すいません、口が悪いもので」

「いえ、構いません。佳奈美お嬢様も優花さんのそんなところを好きだとおっしゃってました」

「えっ!?」

陸奥先輩が私のことを好き!?


「いや、失礼。今のは忘れてください。佳奈美お嬢様は努力家ですよ。陸奥家は裕福な上流階級の家柄ですが子供の教育は厳しいのです。一族の長となるために必要な力をつけさせるため、色んな試練を与えます」

陸奥が自分を好きだと言った話でまだ動揺していた優花だったが、取り敢えず茅野の言葉に集中した。