テキストサイズ

……どうしてこうなった?

第37章 放たれた狂獣

「なんだよ、話って」

人目を避けるように陸奥佳奈美に連れてこられたのは静かな神社だった。

よほど誰かに見られたくないのか陸奥はそんな場所に芹沢を連れてきた。

「芹沢君、高校卒業したらどうするの?」

陸奥は芹沢に背を向けたまま尋ねた。

「あー? まあ一応は進学するつもりだぜ? これでも将来の夢はあるからな」

「何? 将来の夢って?」

「まあ、いいじゃんか。そんなこと聞くために俺をここに連れてきたのか?」

面倒くさそうに芹沢は返事をごまかす。

「そうよ。それを聞くために芹沢君をここに連れてきたの」

くるっと振り返った陸奥は真剣な眼差しで芹沢を見据える。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ