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「興味ねぇよ、そんなもん」

芹沢はむげに言った。

「陸奥家の資産額、あなたは知らないでしょうが----」

「だから興味ねぇから、そんなもん。陸奥家の資産額も陸奥佳奈美個人も、全く興味がねぇ。悪いけど」

芹沢は陸奥に話もさせずたたみこむ。

「あなたは支配する人間になるべき器よ」

「何言ってんの、お前？」

呆れたように芹沢が笑う。

「支配する人間ってなんだよ？　支配される人間ってなんだ？　会社の社長が支配者で社員が支配される奴隷か？　違うだろ？　そりゃ会社内では社長かも知らねぇけど社員の力なくして会社なんて成り立たねぇだろ？」

「私が言いたいのはそんなことじゃなく……」

佳奈美は慌てて芹沢を落ち着かせようとする。