……どうしてこうなった?
第37章 放たれた狂獣
「馬鹿げてるんだよ、お前の発想。支配される人間なんていない。人はそれぞれに自由だ。労働で貢献する人間が惨めな被支配者階級だなんてお前らの勝手な妄想だ。働いてる人はみんなそれぞれに尊いし、立派だ 」
陸奥は言葉がうまいように出ず、思わず唇を噛む。
「お前が惨めだと思ってるやつらはみんなそれぞれにそれぞれの幸せを噛み締めて生きてる。辛いこともグッと我慢してな。支配者階級とやらは苦しさも辛さもなく生きてるのか? 違うだろ? それはそれなりに満たされないものを抱えて生きてるんだよ」
「もちろん、そうよ。それはわかってる」
「わかってねぇよ。佳奈美は権力を振りかざすことに快楽を感じている。そんなもん、なんにもなんねぇんだよ。俺は辛かろうが、損しようが好きなやつと一生生きていきてぇよ。葉月優花と一緒に、年取って、死んでいきてぇよ。お前なんかじゃなくな」
陸奥は言葉がうまいように出ず、思わず唇を噛む。
「お前が惨めだと思ってるやつらはみんなそれぞれにそれぞれの幸せを噛み締めて生きてる。辛いこともグッと我慢してな。支配者階級とやらは苦しさも辛さもなく生きてるのか? 違うだろ? それはそれなりに満たされないものを抱えて生きてるんだよ」
「もちろん、そうよ。それはわかってる」
「わかってねぇよ。佳奈美は権力を振りかざすことに快楽を感じている。そんなもん、なんにもなんねぇんだよ。俺は辛かろうが、損しようが好きなやつと一生生きていきてぇよ。葉月優花と一緒に、年取って、死んでいきてぇよ。お前なんかじゃなくな」