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病院をあとにし、家に帰った陸奥は夜中に帰った両親に告げた。


「私、妊娠しました」

陸奥佳奈美はジッと両親の顔を見つめ告白した。

「佳奈美っ」

母は驚いて目を見開く。

一方父は表情を変えない。

「そうか。堕ろせ」

ひとこと、そう告げた。

「いやよ。私は産むわ」

佳奈美は表情を変えず、きっぱりと父に向かってそう言い切った。

「……誰の子供だ？」

今まで一度たりとも歯向ったことがない娘に、初めて歯向かわれた父は少しだけ動揺する。