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……どうしてこうなった?

第40章 陸奥佳奈美の決意

「私の子よ」

「そうじゃない。子供みたいなことを言うな。相手だ。相手は誰なんだと聞いておる」

「相手なんて、いないわ。この子は私の子供。私だけの子供よ」

お腹をゆっくりとさすりながら陸奥は断言する。

「……そうか。お前の気持ちはわかった。今すぐこの家を出ていけ」

怒鳴るわけではなく、蔑むわけではなく、日常会話をするように父は娘にそう告げてその場を立ち去っていった。

残された母は娘をじっと見る。


「あなたなんて産まなければよかったわ」

母は限りなく冷ややかな声を実の娘への別れの言葉にして、立ち去っていった。

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