テキストサイズ

……どうしてこうなった?

第40章 陸奥佳奈美の決意

荷物をまとめてる間も使用人たちは手伝いには来ない。

当たり前だ。
もう陸奥家の人間ではないのだから。
わがままな娘がいなくなったと思ってせいせいしてるんだろう。


そんな自虐的な思いも首をもたげる。

父や母に手伝わないように止められてるのかもしれないとも考えたが、その考えはすぐに捨てた。

今さらこの家に未練を残したくない。


自分が追い出されるのを使用人たちも喜んでいる。


無理にでもそう思おうとした。




「お嬢様……」

そのとき背後から聞き慣れたベテランの使用人のおばさんの声がして佳奈美は振り返った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ