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……どうしてこうなった?

第8章 初デート

「ったく……めんどくせー奴」

そう言うと芹沢はヒョイっと優花を持ち上げ、階段をトントントンっと駆け上がっていった。


「ちょっと!? やだっ! 降ろしてくださいぃっ!」

ちょっと待つわけもない芹沢は息を弾ませながら階段を駆け上がった。


「何なんですか、いった……うわぁ……」


目の前には街全体を見下ろせる展望台となっており、まばゆいばかりの夜景が広がっていた。

昼間の展望台より高い位置にあるこの展望台はまさに大パノラマという言葉がふさわしい。


「すごい……」

お姫様抱っこをしていた芹沢はゆっくりと優花を下ろす。

「こんなに、綺麗なんだ……私たちの住む街って……」

目の前に広がる光の絨毯のような景色に吸い込まれるかのように展望台の手すりまで歩み寄る。

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