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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

ボール拾いは一年の一部の部員も手伝ってくれたが橘は手伝わず更衣室へと向かっていった。

優花らマネージャーが仕事を終える頃には既に橘は帰宅したあとだった。


「なによ、彰人……初日くらい待っててくれてもいいのに」

優花はぷりぷり怒りながら、自らも着替えて先輩マネージャーらに挨拶をして校門へと向かった。


「よう……お疲れ」

「あ、あきと……」

校門の壁に寄りかかり、橘彰人は優花を待っていた。

「待っててくれたの?」

「ほら、帰っぞ……」

橘は照れと気まずさからぶっきらぼうにそう言い放ち、さっさと歩き出してしまう。

「もうっ」

素直じゃないんだから……

優花は嬉しそうに笑いながらその背中についていく。

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