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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

そんな姿に優花はキュンと胸を締め付けられる。

泥まみれになっても気にも留めず、力の続く限り橘は走り続けていた。

流石に強豪校のサッカー部だけあってマネージャーも優花の他に四人もいた。

マネージャーたちはタイムを測ったり、シュートの軌道を記録したりと忙しそうに働きながらも、視線はそれぞれ意中の相手を追っているのがわかった。

やっぱりみんな同じよこしまな気持ちでマネージャーになったんだ。

クスッと小さく優花は笑った。



「それでは今日の練習はここまでっ!」

「お疲れ様でしたー」

顧問の先生の号令で一斉に部員が頭を下げ、練習が終了した。

ボールの片付けや汚れたユニフォーム、ゼッケンなどの回収と、マネージャーたちの仕事はここからも多い。

当然橘とお喋りする暇などなく、また優花も橘に擦り寄るだけが目的でマネージャーになったわけでもないのでせっせと業務をこなす。

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