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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

誰にも気付かれなかった目の腫れを芹沢に気付かれて焦った。

しかしそんなやり取りも周りからは『例のカップルがイチャついてる』としか映らず、冷やかされる。

「気安く触らないで下さいっ」

優花は振り切るようにその場を立ち去る。

「やっぱかっこいいよねー、芹沢先輩……」

「やめてよ、ともちゃんまで!!」

「ごめんごめん。でもなんか先輩変なこと言ってなかった? ひどい顔とか」

「あ、あの人が変なこと言うのはいつものことでしょ!! いいから早くいこ」

優花は友美の手をぐいぐい引いて理科室に向かった。


心臓はまだ、バクバクしていた。


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