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……どうしてこうなった?

第9章 優花の入部

二限目が終わって次の理科の実習のため、優花たちは教室を移動していた。

「ようっ! 優花!」

同じく教室移動中だった芹沢とすれ違う。

「あ、どうも……」

とても恋人同士とは思えない距離を感じさせる会釈で優花は頭を下げる。

「ん? どうした?」

一方芹沢はひと目で恋人同士とわかるくらいの気安さで優花に接する。

「えっ? 何がです?」

芹沢は優花の顎の下に指を置き、クイッと顔を上げさせる。

「ずいぶんひどい顔してんじゃん」

「ちょっ……やめてくださいっ」

ぷいっと優花は顔を背ける。

「なんで泣いてたんだ、優花?」

「っっ……」

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