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キレーな顔した狼さん。

第6章 4匹目

「――…り」

ん?

「…り……しお…」

俺の事…呼んでる?

「汐里っ」

この声は…

「んっ…る…き?」

俺を呼ぶ大好きな声に重い瞼を
ゆっくりと持ち上げる

「汐里…起きて?」

「…瑠樹…?」

「うん、そうだよ…汐里、起きられる?」

「うん…多分」

心配そうに俺の顔を覗き込む瑠樹に
返事をしながらダルい体を起こす

「大丈夫?まだ具合悪そうだね…
お粥作ったから食べて欲しんだけど…
無理そ?」

え?
お粥…って、もーそんな時間?

「今、何時?」

「んーと、夜の7時?ぐらいかな…」

そっか…夜の7時……夜の7時!?

「え!?」

予想外の時間に驚きを隠せない俺

「汐里?どーしたの?」

どーしたのって…俺が寝たのは
確か瑠樹が迎えに来てすぐだから朝の8時頃だろ?

昼とかぶっとうしで寝てたのか?

「い、いや…もーそんな時間なんだって…」

「あー、そうだね
俺が荷物とか取りに行って戻って来ても気付かないで気持ち良さそうに寝てたから…ごはん食って薬飲んでもらおーと思ってもなかなか起きねーし…」

「そ、そか…何か悪かったな…」

申し訳なさそうに謝る俺に瑠樹は
少し拗ねながら話を続ける

「ホントだよっ、いくら具合悪いっつったってさー…彼氏が同じ部屋にいて看病でもお泊まりなのに…全然起きないで寝てんだよ?さすがに寂しいって…」

瑠樹が…あの瑠樹が……拗ねてる!?
やべー…何だこれ!ちょー可愛い
ぞっ…

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