キレーな顔した狼さん。
第6章 4匹目
「瑠樹…お前…可愛いな…」
「……はへ!?」
瑠樹の顔がみるみるうちに赤くなる
「ハハッ…顔真っ赤」
何だかいつもと立場が逆転してるみたいで楽しい
「汐里…何いってんの?」
「んー?拗ねてる瑠樹が可愛いなぁって」
笑いながら瑠樹の顔を見つめる
「ちょっ…汐里、今日何か変だってっ
熱のせい?」
「ムッ…変じゃねーよっ失礼な事いうなっ」
瑠樹の発言にムッとして頬を膨らませながら睨む俺
「はぁ…」
に、対していきなりため息を吐きやがったのは言うまでもなく瑠樹だ
「何だよぉ~」
相変わらず瑠樹の事を睨みながら不満気に聞き返すと
「汐里のが可愛いから」
なんて言葉が帰って来た
「……!?」
熱で朦朧とする頭のせいで反応が遅れる
「な、何いってんだよっ…つーかこんな俺の何がだよっ」
やっと発した反論も何処か弱々しい
「ほら、そーゆーとこ」
「…へ?」
「だから、そーやっていちいちムキになるとことかだって…それに、今の汐里は熱のせいで涙目だし?頬赤らめちゃってさぁ…睨んでるつもりかもだけど上目遣いで誘ってるよーにしかみえない。」
「…はぁ!?そ、そんなわけ…」
動揺しながら否定するが
瑠樹の不敵な笑みに体が固まる