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好きな空間

第16章 好きな空間



ガチャ

鉄の扉が重たく空いて、すっかりあのときの華やかさの欠片もない白髪だらけの荒んだ老女の様な出で立ちでママが面会室の椅子に座った。



私は華やかな黒の江戸小紋に黒のファーのついたかけものをかけて金の織物に鶴の刺繍がされた帯をし、バーキンを持ち、ルビーの目が光る蛇の指輪を左手薬指にはめた。




「あら、エリカちゃん…お久しぶりね…。」


元気が無く人にすがり付くような目があの女に似ていてムシズが走った。



私はまだ死人に魘されているのか。


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