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好きな空間

第16章 好きな空間

「本当!
お久しぶりね、ママ。」



「エリカちゃん…
私のこと…」



「恨んでいるわよ。
あんなことしてくれたんだもの。
でもね、今となってはもうどうでもいいのよ、だって私、今 最高に幸せだから。」

物ではなく、本当の自由が欲しかった、それを手に入れた。それなりの責任がついて回るけど。



「エリカちゃん…?」


不思議そうに私を見る。



「不思議でしょ、ママ。だって、私が何もしなくても全て貴女方が勝手に動いてくれるから、ある意味驚いたわ。
ママが考えていたように私もママと同じことを考えていたのよ、でも考えるだけでは犯罪じゃないからね。」









ママは言葉を無くした感じで何も言わない。




「昔は大好きだったわママ、さようなら。」

さようならを告げた後私は振り返ることなく、直ぐに部屋を出た。


もう何も見たくなかった。

嘘は散々見て来たが本物は見ないことにしている。



…桜、
すっかり春だった。


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