好きな空間
第16章 好きな空間
そのまま銀座へ行って店に向かう為歩道を歩いていたら、三歳位の小さい女の子にぶつかった。
「小春ー!
危ないから走らない!すみませんねー、おてんばで。」
「大丈夫ですよ、
小春ちゃんって言うんだ、私の知っている人も同じ名前の子いるのよ。」
「そうなんだー!
パパー、早くっ!」
「すみません。」
と言いながら追いかけて行った。
女の子の鞄には"管野小春"と綺麗な字で書いてあった。
私はお店に向かった。今日も沢山のお客様が来て下さるから。
銀座一の"マルジェラ"に。
私の居場所。
好きな空間。
懐かしい香りがした。
完