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あなたが消えない

第9章 深夜2時のお仕置き

自分がどんな痴態をして、翔の布団の上で転がっているのか、自分には分からない。

翔にしか、私の姿は見えていない。

恥ずかしいよ…。

「今度はさぁ、ここ触ってみてよ。優しくね?…」

私の手をそっと両手で掴んで、何かを握らせた。

えっ、やだよ…何?…怖い。

「いやっ…何、それ?」

「いいって、俺がきちんと側で手を添えてあげるから」

私は、そのよく分からない生き物みたいにピクピク動くものを握った。

「優しくね…そう…優しく…」

これって、もしかして…。

「親指をこうして動かしてみて?…こんな感じに…」

「う、うん」

私は翔の言葉通りにする。

でもメトロノームみたいに一定には出来なくて最初はゆっくり、でも少しずつ擦る親指が早くなる。

だって、何だかさっきよりも…。

「翔?」

翔はさっきから黙ったままだから、問い掛けた。

「…翼…そのまま…そこにキスしてよ」

私はまた言われるがまま、握り締めたソレにキスをした。

…チュッ…

「…んっ…」

今、微かに翔の息の中から漏れる声がした。

その声が私はもっと聞きたくなって、何度も吸い付くキスをした。

…チュッ…チュッ…チュッ…

「…翼っ…キスはもういい、口の中に入れて…」

そう言われて、パクッと口の中に入れて舌で舐めた。

翔は、私の横髪をかき上げながら、

「翼は俺のものだ…俺のもの…」

その言葉を聞き取れないくらい私は夢中で、必死に唾液を絡み合わせて包み込んだ。

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