
届きそうで、届かなくて、、、届けたくて。
第14章 episode13 ~*拒否*~
唯「ちょっと、、失礼しますね…」
経験上慣れていないのに加え、気まずい空気が流れていて
手つきがぎこちない
でも、いつも私のことを簡単に弄んでいる二宮さんが
こんなぐったりしてるので
相当辛いのだとわかる
汗でびしょ濡れになった服を取り替えようと、
タンスから二宮さんの部屋着を引っ張り出したところで、体温計が私を呼ぶ
唯「えっ、ちょっと……!
39度超してますよ……」
額に手をあてた時点で、驚くほど高いのはわかったが
体温計が、こんな数字を表したのを見たのは久しぶりだった
和「ゆいっ………」
唯「はい?」
氷枕を準備していた手を止める
和「も、、いぃからっ……
でてって………」
唯「えっ………
なんで、ですか、、?
昨日のこと、、?あれは、本当にすみませんでした………」
和「ちがうっ………
ちがうけど、、、いいからっ……でてってっ」
唯「じゃあ、、一通りやったら、出て行きます」
拒否られているのなんてわかっていた
でも今は、二宮さんがこうやって喋るだけでも体力的に一番辛いはずだから
知らないふりをして再び氷枕の準備を再開した
“強い女の子”を精一杯演じた
