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甘いキスを永遠に

第36章 誕生日・2

そして切なげに笑いこう言った。


「仁美の腹の子の父親は俺の兄貴」


「なにそれ!」


私までムッとしてしまった。


元哉は私の頭をくしゃっとしてなだめて笑った。


笑った顔が痛かった。


「笑えるだろ。

俺全然気づかなかった。

いつアイツらが出来てたかも未だに分かんねえ」


「それで?」


「アイツらは親に言って、めでたしめでたしだよ。

親父もお袋も長男が跡取んのが一番だとか言って喜んじゃってさ。

仁美は次の女将の座も変わらずだしな」


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