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甘いキスを永遠に

第53章 親孝行

トイレから出ると、元哉はウキウキと期待した目をしている。


部屋に戻って検査薬を二人して覗き込んで時間を待つ。


私は正直、期待半分、不安半分だ。


表示された時間が過ぎた。


反応がハッキリ出ている。


陽性…


「よっしゃあ」


元哉はガッツポーズで喜んだ。


「麻実ちゃん、凄くない?
俺、狙ってだけど、まさか式の日に分かると思わなかった!」


無邪気に喜ぶ元哉だが、相変わらず母の事が心のどこかで引っかかって、心底喜べなかった。

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