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Hな片想い♡

第7章 影

それから数日の登下校は
母と共にすることとなった

先生から持ちかけてきた話だったけど
私もそうしてほしかったし
母親もNOとは言わなかった

あんなことがあったんだもんね…。

登下校だけじゃない
色んなことを一人でやれなくなった

校内での単独活動一切禁止。

そのせいで吹部のみんなにも迷惑かけてる
私がいるからみんな自由になれないんだ

部活もやらないで帰る話も出たけど
それだけは断った

ここで部活までいかなかったら
更に迷惑かけると思ったから

全ては川原秀夜のせいだ
川原秀夜を恨んだ

けど本当にダメなのは私なのかもしれない

「みんな……。ごめんね…。」

そういえば今は授業中
忘れて声を出してしまった

小声だったから気づかれなかったみたい
けど隣の高橋だけには聞こえてた

「おい、どうしたんだよ」

「いや、あの…ね…。なんでもない…。」


これ以上声を出したら泣く気がした


「あとで屋上にこいよ」

「え……。」


あれ以来呼び出されるのが怖い
特に男子には


「そっか…。呼び出そうとしてごめんな
あんなことがあったんだもんな」


学校ではもう有名な話だった


「…ごめん。」

「いや、俺の方が悪いからさ、
本当ごめんな。家帰ったらメールするね」

「…うん。」


高橋は優しい
私にあんなことがあっても普通に接してくれる

周りは私のことを笑うんだ
指差して楽しそうにする

ひどい時には三年生の男子に

「川原に犯されたの?w」

すれ違いざまに言われたこともあった

だから高橋は珍しいくらいに優しい
そんな優しい人が隣でよかった

けどやっぱり私の気持ちは
建先輩の方を向いていた

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