
秘密の蜜は甘い
第1章 あたしの秘密
お兄ちゃんは学園の王子様だ。
顔が格好良くて、毎日一緒にいて見慣れているあたしでさえもドキドキしてしまう。
その上サッカー部のキャプテンでスポーツ万能だし、成績ならトップ10には絶対に入る秀才。
そんなお兄ちゃんにファンが出来ないはずも無く、ファンクラブがある。…お兄ちゃんは興味ないみたいだけど。
試合中にタオル渡したり差し入れしたり、やる事はそれ位。
―――いや、それはあたしの
御陰なんだと思うのだけれど。
あたしはいつも
お兄ちゃんにべったりで、
極限まで女の子は近づかない。
…近づけさせない。
一応その御陰で、
行き帰りは安全…なのだけれど。
ファンの女子への対応も優しい。
非常識なファンは、あたしがいても関係なく近づく。だけどお兄ちゃんは根が優しいから、嫌でもあんまりハッキリ言えないのだ。
