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真っ赤な家庭

第4章 嘘



署に着いたころにはびしょ濡れだった。

雨も気にせず、一刻も早く鑑識に布に書いてある文字の内容を知りたかったのとハサミに自分以外の指紋を取ってほしかったからだ。






「開けてくれっ!
いるんだろ!」




蹴り飛ばすかのようにドアを叩いた。





ドアが開いたと同時にだるい顔が出てきた。




「どうしたんですか?こんな夜中にびしょ濡れで血相かえて。」



「お前こそ、何故こんな夜中に鑑識にいるんだ?」



「知ってるから来たんでしょうが。林さんと一緒でワーカーホリックですかね?」



相変わらず、ニヤニヤ笑って答えた。



「今回は認めてやるよ、それよりこれ調べてくれ。」




袋に入れたハサミを差し出した。




興味深く見ている。


だるそうに出てきたこいつは鑑識のなかで一番のベテランの立川だ。



ほとんどこの部屋にいる。



ワーカーホリックなのか、ただのマニアなのか、愚痴1つ言わず楽しそうに調べあげるから楽だ。



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