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いちご いちえ

第2章 だいすきなレイ

「レイ!あれ…」


悠吏が教室の前で立ち止まり
指を指した。
その指の先にあるのは
廊下に置かれる2脚の机。

紛れもなく、私と美羽の机だ。


美羽はまた
唇噛み締めて俯くから
私はあえて話を大袈裟にするんだ。



「やるならさ、もっと大胆に行っちゃえばいいのにね」


「大胆って例えば?」


「そうだなぁー
廊下じゃ普通すぎるから
思いきって窓から落としちゃうとか?」


「げっ!それはやりすぎだろ」


「悠吏には出来ないだろうね
窓まで持ち上げられなさそうだし」


「はぁ?お前なぁ…
バカにすんなよ!」


「美羽もそう思わない?」


「レイなら出来ちゃいそうだね」


いやいや美羽ちゃん!
いくらなんでも
そればっかりはねぇ…


「え?美羽それ本気で言ってる?」

「へへへ」

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