
先生。
第2章 ○ 白い朝
ちゅっ
思わずニヤけてしまう口元を誤魔化すように、声にしたら悟られてしまいそうな
幸せな気持ちを伝えるために。
わたしは、拓の唇にキスをする。
それを知ってか知らずか。
…いや、きっと
知っているんだろう。
拓はいじわるく口角をあげたまま、目も開けてはくれない。
「何?」
わたしからの次のアクションを待っているんだ。
柔らかな、甘い空気に、少しだけくらくらしながら、わたしは拓の耳元でつぶやく。
ちゃんときいてね…?
「…大好き。」
「………よくできました。」
真っ白に洗濯された、愛しい人のにおいのまじる
真っ白なシーツとともに
降り注がれる小さなキス。
今日も甘い一日になりそうだ。
