WONDERな世界
第7章 WONDER LAND -EPISODE #6-
SIDE/兎
「怪我、見せろ。話はそれからだ」
楓は俺を見て俺の横を通りすぎて、
長椅子に座る。
俺は相槌を打ち楓の隣に座り
緑色のチョッキを脱ぎ血に染まった
カッターシャツを脱ぎ掠めた傷を楓に見せる。
「お嬢様ならこの傷は直ぐに
癒せれるが俺は出来ないから
応急処置で我慢しといてくれ」
楓は俺の傷口に消毒をして包帯を
巻いていく。
―手慣れてるなぁ
「終わり。脇腹はお嬢様が起きたら
診てやる。まぁ多分、折れてないから
大丈夫だろ」
蹴られた脇腹を見る。
脇腹には痛々しく大きな青アザが薄く
出来ていた。