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　　SIDE@兎


　｢だいたいの事はわかった｡｣


あれから小一時間楓と悠から話を
聞いていた｡

ｳﾞｧﾝﾊﾟｲｱ一族の事や楓と悠は仮契約で
傍にいる事､悠はまだ完全なｳﾞｧﾝﾊﾟｲｱ
じゃないで寿命があと僅かってことも｡


　｢でも悠は誰かと契約しないと
　　死ぬんだろ？そこから先に
　　解決したらいいんじゃないか？｣


悠を見ると俯いていた｡
でも彼女が死んで居なくなるのは
俺も嫌だ｡


　｢そうだな｡お嬢様？
　　此ばかりは我儘等
　　通用しませんからね？｣

　｢わかったわ｡
　　でも､契約は彼がいいわ｣

悠は俺を真っ直ぐ見据えていた｡
でもその瞳は､"不安"と"恐怖"が
映っていた｡

　｢楓｡ごめん｡｣

俺は楓を見て謝る｡楓はﾌｯと微笑し､
教会を出る｡