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　｢悠｣


悠に近付き､手を取り握る｡

　｢怖い？｣

悠を椅子に座らせ､悠の前に跪く｡
悠は静かに頷き俺の手を握り返す｡

　｢怖いわ｡私が私で無くなりそうで
　　さっきみたいにまたｶｲﾝを
　　傷つけたらどうしようって…｡｣

　｢大丈夫｡悠は悠で､俺が沢山
　　怪我しても俺は痛くない｡
　　それに怪我して痕が残っても
　　俺は悠のものっていう証になる｣

悠の頬に手を添える｡





　｢俺は悠の"全て"になる｡
　　剣にも盾にも翼にも足にもなる｡
　　君が望む事を"全て"を叶えてあげる｣




悠のおでこと俺のおでこをくっつけて
お互い目を閉じる｡





　｢―…俺を信じてくれる？｣





　　　　悠は静かに頷いた｡