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適当詩

第2章 2

「橋の」

欄干から石投げた

お前の顔が

崩れて歪む

橋の下には

店があって

私はそこで

中古の仮面を

買うのです

すえた臭いの

どぶ川に

あなたとワルツを

躍りませう

買い付けに行く

お前の背をよそに

サイドスローの

飛び石は

たった

4度目に

殿様に当たると

底に沈んだ

結局

何も

渡れずに

石を積み上げ

見る

彼岸は

靄にかかったままである

もう一度

石を投げれば

やっぱり

お前の

顔は

壊れて崩れる

ただそれは

仮面であったか

素顔であったか

一体

この嘔吐は

橋の下を

どこまで流れていくのか

吐いても吐いても

俺自身は

ここにいる

そうして

振り返れば

笑った仮面の

お前が立っている

そうして

見上げれば

渡れない橋が

かかっている

せめて

お前とワルツを踊ろう

俺の仮面は用意したか?



おわり。

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