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ポーカーフェイス

第5章 視聴覚室で

教室の隅、本棚の裏で私たちは体を密着させて息を潜めていた。


「あんまくっつかないでよっ」


小さな声で反撃し、私の体に絡んでいる腕を離そうともがくが、あまり意味はない。


「しーっ。バレちゃうよ?」


その言葉に何も言えなくなる。


その間に視聴覚室の中にはたくさんの人が入ってきている感じだった。


ざわざわと男女の複数の声が聞こえ、しばらくするとまたドアが開く音がして、先生の声がした。

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