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ポーカーフェイス

第5章 視聴覚室で

耳に刺激を与えないでほしい!


私は千里に不自然に思われないよう、さりげなく自然に、耳にかけていた髪を下ろした。


これなら多少は軽減されるはずだった。


が、千里には逆効果だった。


「へぇー・・・、さりげなく耳隠しちゃって、やっぱり弱いんだ?」


そう言いながら、私の髪を触り耳に静かに息をかける。


もう私はゾクゾクだ。


わざとなのか、色気の含まれる甘い声に、耳にかけられる吐息。


すべてにおいてとんでもないテクニックを持っているようだった。

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