彼・彼女の言い分
第22章 冬の理由
『…はい…』
水上を誘い、奥の席に座った。
はぁ…緊張する…
「水上…
クリスマスプレゼント…
気に入るか解らないけど…」
ポケットから…小さい箱を取り出し
水上に渡した
『……春…私に?
開けてもいいですか…?』
「うん…」
水上は包みを開けて中身を見た…
中には…
スマホのストラップ…
銀の花をモチーフにしたストラップ…
『春…この花…
トーチリリー…ですね…
神様との約束の花…』
トーチリリー(トリトマ)
雨の上がる季節に咲く大きな花。
「…優香さんに…水上が好きな花を聞いたんだ…
何でも好きだけど…
この花の話しが好きだったって聞いて…
俺がデザインして…作ってもらったんだ」
『え?春のデザイン?』
「トーチリリーを絵にして…ストラップになるように…デザインして…結構…楽しかったよ。建築の仕事に少しにてたからかな?」
水上は…ストラップを見つめ…
ギュッと胸に抱きしめた
『うれしい…です。
春が…私のために…いろいろ考えてくれていた…事に…幸せです…ありがとうございます』
水上は…瞳をウルウルさせて…
微笑んだ……
よかった…