
彼・彼女の言い分
第22章 冬の理由
水上は早速スマホに付けてくれた
「お?水上さん、高木からのプレゼント?花?」
『えぇ…トーチリリーです。』
花に詳しくない正樹はキョトンとしていた。
「トーチリリーはね…
南アフリカ原産のユリ科の多年草だよ。」
優香さんが、お酒を運びながら正樹に話した、
「へ〜珍しい花なんですか?」
「珍しいモノではないかもね、
でも【神様との約束の花】とも言われていて、
神様が洪水を起こしたノワの箱舟の後の話しで出てくる花なんだよ。
もう、洪水は起こさないと約束するよ…と山奥の人々に虹の代わりにトーチリリーを咲かせたって…花…
下から順番に色を変えながら虹のように、炎のように花を咲かせるのが特徴の花だよ」
「へ〜…」
『正樹先輩…分かってませんね!!!』
へへっと笑う正樹の横で
坂口がケラケラ笑う…
「春クン…素敵なプレゼントを千花ちゃんにありがとう…」
優香さんはニコッとして、先生達にお酒を出し、自分も会話の中には入っていった…
約束の花…
約束する…
俺の愛を…
約束してくれ…
君の愛を…
約束をしよう…
俺達の夢を……
頑張ろう…二人で……
愛している…
こんなに誰かを
思ったことがないから…
この感情は正しいのか不安になるが…
俺は………
水上を…
母に合わせようと…思った…
