彼・彼女の言い分
第27章 未来の理由
顔は…
擦り傷、打撲後…
それ以外は…
寝ているみたいだった…
涙は…止まらない…
病室の外では…
弟のワーワー泣く声が聞こえる…
「俺も…
ああやって…泣けば…
いいのかな…お母さん…」
俺は…
自分の性癖に疑問を持ち…
無表情になるように心掛けていた…
最近では…何事にも動じない表情が癖になっていた…
母さんとも…最近は…
まともに話もしてなかった…
今日の朝だって…
『春は最近、大人の顔ね〜お母さんはニコニコ笑う春が好きなのに〜
お父さんに似たのね〜』
と…からかわれた…
母さんは俺の悩みを知らないんだ!!!と…反発までしていた…
その…朝の…反発すら…
今…後悔した……
母を病室に残し…
父に何があったのか…
尋ねた…
仕事の打ち合わせで
取引先に建築デザインを見せに行き
会社に戻る時…
雨で濡れた道にスリップしたトラックが…
母さんの車に突っ込んだ…
正面からぶつかり…
エアバックが開いたが…
衝突したまま…
トラックは止まらず…
母の車は…電信柱まで運ばれ…
トラックと電信柱に挟まれ…止まった…
通報され、救出された時には…
心肺停止…していた……
病院に運ばれた時には…
もう…手遅れだった…