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彼・彼女の言い分

第5章 先生の理由

「この雑誌!この子!」


テンション高めに雑誌のページを指さす男は…


天野 光〈アマノ ヒカル〉
24歳
指さす雑誌に写っている男子の方の…
塾の講師


「あ〜…確かに…イケメンだね〜…あれ?」

と…テンション低めの男…

安藤 望〈アンドウ ノゾム〉
20歳
その雑誌のイケメンの隣にいるボーイッシュなスタイルのいい女性の…
家庭教師…


「な〜光さん…この子の隣に写ってるショートカットの子…俺の生徒だ…」


「へ〜!偶然!
家庭教師してるって言ってた?セレブの子?」


会話は、互いの生徒の話しになり、盛り上がった…





光さんは、駅前の塾の講師をやっていて…昔は、俺も…そこの生徒だった…

高校一年の俺…
塾の講師一年目の光さん…


三年間、塾に通い…

卒業の時には…光さんが…好きになってた…


多分…一目惚れ…

三年間…光さんに会いたくて…塾に来ていたようなものだった…


卒業して…接点がなくなるのが嫌で…

光さんが働く塾のアルバイト家庭教師に登録した…。


で、今は講師仲間として…隣にいられる日々を…幸せと感じていた…



の…だが…


さっきから…雑誌に写ってる…イケメン男子をキャッキャ言って見ている…




薄々…光さんは…あっちの世界の人と分かっていたが…

講師仲間となると…あっという間に自分がホモとカミングアウトした…


俺の…三年間の…ジレンマとの戦いに…終わりを告げたが…


三年間の沈黙は…癖になり…今だに告白すら…



出来ない…


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