
彼・彼女の言い分
第6章 キスの理由
俺は本を探しながら水上に質問した…
「家庭教師…って…毎週来るんだろ?」
『ええ、週2で来てもらってます。テスト前はもっと多いですよ?』
結構…頻繁だな…
「ふ〜ん…どんな…人?」
かなりの男前だったしな…顔で惚れる水上だしな…
『教え上手な先生ですよ…丁寧ですし…優しい』
ドキッ・・・・・
少しニヤついてこっちを見るな!!!
何だよ!!!
『やっぱり…ヤキモチって事でいいのかな?』
「なっ!!!」
何だよ!!!あの目・・・
色っぽい…っつーか…
カッコイイ…っつーか…
誰もいない図書室で…
危ない妄想をしてしまうじゃないか!!!
水上が…男ならーーーー!!!
本棚の間で…必死に本を探した…
冷静に!!!冷静に!!!
カタン…
水上が席から立ち上がり…こちらに向かってきた…
本棚の間に二人…
入口からも窓際からも…
誰からも見えない…
図書室の死角…
水上が…俺の背中に体を寄せて…
耳元で…
『キス…してみる?』
