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Do you remember?
第1章 始まり
中学二年生の時、クラスのグループから追放されて学校に行けなくなった事があった私は、
三年生になってやっと親友と呼べるような友達に出会うことができた事で、暗い思考ばかりだった自分自身が少しずつ変わっていくような気さえしていた。
ところが学校へ行くのが楽しい、と思えだしたとたんに日々はめまぐるしく過ぎて行き、
気がつけば満開だった桜も散り、高校生活という新たなスタートが目前に迫っていた。
漫画にあるみたいな輝かしい高校デビューを何度も想像してみたけど無視されて不登校となった日々が急にフラッシュバックして不安を感じずにはいられなかった。
中学時代の私を知っている人が一緒の高校へ行けば、また同じ事が起こるかもしれないからだ。とはいえ不登校中に落ちた学力を必死で取り戻しにかかったのも、俗に言う“悪あが期”で選べる高校なんてそんなになかった。
結局、合格発表で自分の番号を見つけて跳び跳ねたのは、そんな中の一校 「東高校」だ。
同じ中学の出身者はたった一人、小学校から中学を卒業するまでずっと虐められていた女の子だった。
「あ、母さん?うん。受かったよ!」
慣れない校内でやっと見つけた公衆電話の重たい受話器を握りしめ、新しい世界が始まる瞬間は意外と嬉しいものなんだと感動していた。
受話器を置いて、100円入れたのにお釣り出てこないのは何故だろうと考え込みながらスリッパの返却に向かう私は、
前から歩いてくる男の子とその親の二人組と目が合った。
三年生になってやっと親友と呼べるような友達に出会うことができた事で、暗い思考ばかりだった自分自身が少しずつ変わっていくような気さえしていた。
ところが学校へ行くのが楽しい、と思えだしたとたんに日々はめまぐるしく過ぎて行き、
気がつけば満開だった桜も散り、高校生活という新たなスタートが目前に迫っていた。
漫画にあるみたいな輝かしい高校デビューを何度も想像してみたけど無視されて不登校となった日々が急にフラッシュバックして不安を感じずにはいられなかった。
中学時代の私を知っている人が一緒の高校へ行けば、また同じ事が起こるかもしれないからだ。とはいえ不登校中に落ちた学力を必死で取り戻しにかかったのも、俗に言う“悪あが期”で選べる高校なんてそんなになかった。
結局、合格発表で自分の番号を見つけて跳び跳ねたのは、そんな中の一校 「東高校」だ。
同じ中学の出身者はたった一人、小学校から中学を卒業するまでずっと虐められていた女の子だった。
「あ、母さん?うん。受かったよ!」
慣れない校内でやっと見つけた公衆電話の重たい受話器を握りしめ、新しい世界が始まる瞬間は意外と嬉しいものなんだと感動していた。
受話器を置いて、100円入れたのにお釣り出てこないのは何故だろうと考え込みながらスリッパの返却に向かう私は、
前から歩いてくる男の子とその親の二人組と目が合った。
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