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君がいるから

第11章 音信不通…

スタジオに着くと
いつも通り関係者パスを首から下げ
森先輩のあとについていく

「来週のインタビュー用にネタを探しておいてね!?ちゃんと見てるのよ!?」
「わかりました」

マナーにしていた森先輩の携帯が震える

「ちょっとごめんね…」

そう言ってスタジオを出ていった

私も携帯を覗くと
メールのマークがあって
胸がトクンと鳴った

こっそり見てみるとアナタからの
『寂しいよー』っていう元気なメールで
思わずクスッとしてしまう

『今スタジオにいるよ(*^^*)先輩と一緒だから見つけてもそばに来ちゃダメだからねー』

先輩の姿を気にしながらのメールだったけど、先輩はなかなか戻って来なかった

始まる前にお手洗い…と
スタジオを抜け出して
廊下を歩き、角を曲がると
自販機に隠れるように立つ先輩の後ろ姿を
見つけた

一瞬で
誰かといるってわかった

「うん…わかった…」

先輩の声しか聞こえないけど
話している感じから
いつもの先輩からは想像もつかないくらい
女の子な可愛い声だった

関係者に彼氏がいたのかな?
今度聞いてみよう

「…ダメだよ…人が…来ちゃ…」

えー!?
先輩…何してるのー?

私はまわりをキョロキョロ…
慌てて来た道を戻ってみたけど
お手洗いに行きたいのもあって
もう一度歩き出した

声がしていた方から男の人が
角を曲がって出てきた

「お疲れさまです」
「お疲れーっす」

反射的に挨拶したけど…

今のって

お、大野さん…!?

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