
Game=?
第2章 土曜日
「…君が、永井君ですね?」
そう問いかけたのは、
まだ、30代後半辺りかと思われる、校長にしては若い年齢のそれだった。
そして―――どこかで聞いたことのある、
ソフトで低音、滑らかな心地よい音色……
――!!!
基樹は、気付いてしまったのだ。
「…フフッ…やっと気付いていただけましたか。」
「…お前、自分が何をしているか分かっているのか…?!」
「えぇ。簡単です。――ゲーム、ですよ。」
「…て…めぇ…!!!」
基樹は血走った目を校長に向けて、勢い良く殴りかかろうとしたが…
だが、基樹が強く握りしめた拳を振り上げた次の瞬間、
パシッ
――!!!!!
基樹の力強い拳は、“奴”によって跳ね返されてしまった。
“奴”――そう、
このゲームの主催者、Sによって…。
