不合格者の仕事
第5章 寮
野田先生の案内で寮に着いた私たち不合格者。
寮は古びている感じではないが、さっきまでいた学園の雰囲気と
全くと言っていいほど違っている。
寮から漂う嫌な空気。
誰もが感じていることだろう。
「今から配る札の部屋に今日は泊まってもらいます。
明日の7時には学園の前に全員集合して待機しているように。」
淡々と話を進める野田先生。
細い切れ目でメガネをかけた凛々しい顔の男の先生。
野田先生の後ろに隠れるように立っているのは、
尾木澤先生。
どうやら口下手らしく、おどおどと野田先生の後ろに入り込んだ。
「ね、ねぇ…」
ヒソヒソと話し声が聞こえる。
「ん?」
「うちら、どうなるのかな…
運良くこの学園に入れたと思ったら
なんか違うらしいし…」
「だね。
パートナーのお世話係みたいなもんなのかな…」
不安気な女子2人。
その2人がヒソヒソ話す内容は、ここにいる生徒
全員が思っているに違いない。