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鳴り響く踏み切りの向こうの世界

第1章 一束の人生

正確には徹夜明けだった。

季節は初夏を超え真夏のど真ん中。先月からクーラーが壊れようやく寝付いた所だった。

カンカンカン…。

近所にある踏み切りが鳴り響く。そろそろ終わるそんな感覚。
あれっ?終わらない。
やがて救急車のサイレンが近付いてくる。警笛とサイレンの過激な二重奏。サイレン音がマックスになり止んだ。

間違いない。何かがあった。

耳を澄ますと…都会の妬みのようにガヤガヤと耳慣れない音が聞こえる。

相変わらす警笛は鳴り響く。俺はパンツ一丁のまま起き上がりドアを開けた。

『凄いな…マジか…。』

唖然とした。踏み切りのど真ん中で列車が停まっている。

救急車の搬送口に掛けられたブルーシート。

俺は慌ててT シャツを着てスウェットを履き玄関を出た。

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