
無題
第4章 変化(前編)
至近距離で見ても
整って毛穴も無い
雅樹の顔は
何となく
現実味を失わせる力があるように感じた。
郁也の右手は
携帯を持って、
左手は雅樹と
絡まるように繋がれている。
雅樹が繋がれた左手に
キュッ
とほんの少し
力を入れたのが
可愛くて
郁也は淡く微笑んで
キスをした。
雅樹は二、三度瞬きをして
フワッ
と微笑み返してきた。
その表情が
強烈に可愛くて
収まっていた欲が
再び
再熱しようとしたところで
無機質な音が部屋に
響いた。
プルル、プルル、プルル…
雅樹は無表情に戻って
煩わしそうに起き上がると
携帯を空いた方の手で
少し乱暴に掴んだ。
「今日郁也に聞いたけど、来るのか?」
「…行くよ」
「時間間に合いそうか?」
「…少し遅れる」
「わかった。早く来いよな」
プツリ
と電話が切れる。
はぁ~
と少し長めのため息をつき
携帯をベットスタンド付近に置くと、
雅樹は苛立たしげに
前髪を掻き上げた。
「そろそろ…準備、するか?」
「…おぅ」
シャワーに向かう雅樹の背を見送りながら、
郁也は床に落ちた自分の服を集めて着た。
もうちょっと
雅樹とゆっくり
過ごしたかったなぁ…
と雅樹の床に落ちた服を
拾いながら思った。
整って毛穴も無い
雅樹の顔は
何となく
現実味を失わせる力があるように感じた。
郁也の右手は
携帯を持って、
左手は雅樹と
絡まるように繋がれている。
雅樹が繋がれた左手に
キュッ
とほんの少し
力を入れたのが
可愛くて
郁也は淡く微笑んで
キスをした。
雅樹は二、三度瞬きをして
フワッ
と微笑み返してきた。
その表情が
強烈に可愛くて
収まっていた欲が
再び
再熱しようとしたところで
無機質な音が部屋に
響いた。
プルル、プルル、プルル…
雅樹は無表情に戻って
煩わしそうに起き上がると
携帯を空いた方の手で
少し乱暴に掴んだ。
「今日郁也に聞いたけど、来るのか?」
「…行くよ」
「時間間に合いそうか?」
「…少し遅れる」
「わかった。早く来いよな」
プツリ
と電話が切れる。
はぁ~
と少し長めのため息をつき
携帯をベットスタンド付近に置くと、
雅樹は苛立たしげに
前髪を掻き上げた。
「そろそろ…準備、するか?」
「…おぅ」
シャワーに向かう雅樹の背を見送りながら、
郁也は床に落ちた自分の服を集めて着た。
もうちょっと
雅樹とゆっくり
過ごしたかったなぁ…
と雅樹の床に落ちた服を
拾いながら思った。
